妹からメールが来ました。
僕の描いた漫画を読んでしまったようです。
妹は普段からあまり漫画を読まないはずでした。
漫画よりもファッション雑誌の類を愛読し、
ここ数年は日が暮れるよりも早く家に帰った試しがありません。
僕のように部屋の角の暗い所で体育座りをして一日を過ごすよりも、
外でたくさんの友人達に囲まれて笑っている方が、
幾分楽しいと考えているようでした。
そう云う性質を持った人に、
僕の漫画が受け入れられるのか不安でした。
それで、
妹だけには僕が漫画を描いていると云う事を秘密にしていたのでした。
しかし、母がうっかり口を滑らせたようです。
それで僕の描いた漫画を読んだ妹は、
妹は……、
いや、
ちょっと待てよ。
そう云えば、僕に妹はいませんでした。
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