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6月3日

昨日、家に友人を招いた。
家にひとを上げるのは初めてのことだった。
というのも僕は人付き合いが苦手なたちで、
友人は少なく、プライベートに踏みこまれるのをよしとしないからだ。
彼とは趣味であるドールの関係で知り合い、
どうしても僕のコレクションを見たいと云ってきかなかったため、
仕方なく招いたという事情があった。

僕のドールを見るなり、彼は保存状態の悪さを指摘した。
しかしこれには理由があった。愛情をそそぎすぎると、命が宿ってしまうからである。
僕の言葉を、友人は冗談だと思ったらしい。
だとすれば嬉しいことじゃあないか、と笑ったが、僕はとんでもない、と答えた。
きみはどうだか知らないが、僕は気をつかったり思いやることが苦手だから、
ドールが命をもってしまうと、うまく関係を築けないのだ。
僕の真に迫った調子に、友人は顔をさっと青くさせた。
「まさか本気で云っているんじゃないだろうね。
 そんなことが起きるわけがないじゃないか!」
だが起こったのだ、と答えると、友人はぎょっとして傍らのドールを見た。
「驚かすなよ。ほら、やっぱり動かないじゃないか」
「それはそうさ」僕は云った。
「なんせ彼女はもう殺してしまったからね。それは死体だよ。
 念のため、二度と命が宿らないよう、
 愛情をそそぎすぎないようにしているけれどね」
「ああ、驚いた!」友人は悲鳴をあげる。
「どうやら頭がおかしくなってしまったようだ! 僕は帰るぞ」
家を飛び出そうとしたので、僕は彼をひきとめ、首を絞めた。

やはり彼も駄目だった。
これだから人付き合いは苦手である。
彼よりも先に命が宿り、彼よりも先に殺すこととなった彼女と同じく、
死体には必要以上に愛情をそそがぬよう気をつけねばならない。
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