僕のiphoneは、
通話中に別の所から電話がかかって来てそれに出られなかった場合、
その着信は履歴に残らない仕様になっているようです。
それで留守番電話が残されていないと、
僕にはどこからかかって来たものか皆目見当もつきません。
これは結構、不便なのですが、設定か何かで解決しますか。
iphoneになって二年くらい経つのですが、
僕に電話をかけてくれる人がそもそも少ないので昨日ようやくそれに気が付きました。
友達がいない事にも気が付きました。
つい二時間ほど前でしょうか。不思議な電話がかかって来ました。
出てみると、少年の声でした。
僕は本能的に子供と動物に嫌われると云うスキルを持っていますので、
子供の知り合いはほとんどいません。
けれども少年は間違い電話ではないと云いました。
そして、
「過去、電話にまつわる不思議な体験をしませんでしたか」
と訊ねるのです。
記憶を辿ってみると、成程、確かにありました。
小学生の時の事でした。
僕が小学生の頃と云えば、「学校の怪談」が流行った頃でもあります。
通っていた小学校でも怪談や都市伝説で話は持ちきりで、
その中の一つに、「3時33分の電話」と云うものがありました。
詳細は忘れてしまったのですが、
確か3時33分に333番に電話をかけると怪人だか死後の世界に繋がる、
と云うようなものだったと思います。
当時の僕にとって、試さずにはいられない魅力がありました。
それで試してみると、本当にどこかに繋がったと云うような覚えがあります。
僕が少年にその事を伝えると、少年は、
「そんな不思議な体験をしたのに、きちんと覚えていないんですね」
と云いました。
何だか暗に「嘘だろう」と云われている気がして、
子供相手に大人気もなく少し苛立ってしまいました。今年、24歳になりました。
「君にそんな事を云われる筋合いはないぞ。そんな昔の事、とても覚えていられるか。
それに声を聞いたところ、まだ子供だろう。
こんな深夜に悪戯電話をしていないで、寝てはどうかね」
僕がそう云うと、
そんな事にはいかにも興味がないと云う風に少年は聞き流し、
「本当に覚えていないのですね。
その時、あなたの電話は未来の自分に繋がったのですよ」
そう云い捨てるのを最後に、すかさず通話を切られてしまいました。
あの電話はなんだったのでしょうか。
やはり悪戯電話なのでしょう。気分が悪いです。
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